【VOISING】特別な今日を君と〜VOISING学園祭〜【いれいす】【すたぽら】【シクフォニ】

35種類の結果パターン

来てくれてありがとう！ - 2024年5月11日

「YOUちゃん、良かったら一緒に帰らない？」

「こったろ君。いいよ。」

「ありがと、じゃあ行こう。」

靴を履き替えるとすごく自然に手を繋がれた。

「こ、こったろ君…？あの、この手は…。」

「え？あー…嫌だった？」

その聞き方は狡くないかなぁ…。

「…嫌じゃないよ。」

「ならいいよね？」

好きな人に手繋がれたたら嫌とは言えないよなぁ…。

「わかったよぉ…。」

帰り道は他愛無い会話で盛り上がった。主には今日の学園祭のことだったけど。家が近づくに連れてこったろ君の歩くスピードが落ちていくのがわかった。

「こったろ君…？どうかした…？」

「いや、その…。どうしても、YOUちゃんに伝えたいことがあって…。ずっと、迷ってたんだけど後悔したくないから…。」

足を止めてこったろ君は正面から私を見つめる。真正面から好きな人に見つめられる状況にドキドキしてしまう。…それでも、何故かお互い手は離せなかった。

「俺、YOUちゃんが好きなんだ。明日も、明後日も、その次も…YOUちゃんと手を繋いで帰りたい。」

こったろ君が真剣な表情で、目を真っ直ぐ見て言うから、答えたくても言葉に詰まる。

「…YOUちゃんの気持ちも聞かせて…？」

そう言われたら、答えないわけにはいかない。

「…うん。私も、明日も、明後日も、その次も…こったろ君と手を繋いで帰りたい…。」

「それって…。」

「…こったろ君と同じ気持ちだよ。」

好き、と言う言葉を告げるのが恥ずかしくて、俯いてそう答えるのが精一杯だった。でも、こったろ君に片手で顔を持ち上げられる。

「…目見てちゃんと言って？」

逃げ道を完全に塞がれて、為す術がない。

「わ、私も…こったろ君が、好きだよ…。」

人生で一番勇気を振り絞った。それを聞いてこったろ君は微笑む。

「意地悪してごめんね？どうしてもYOUちゃんの口からちゃんと聞きたかった。」

はは、と笑うこったろ君を見ると怒る気にはなれない。

「でも、YOUちゃんにそう言ってもらえて嬉しかったよ。…もう家まで着いちゃったね。」

名残惜しそうな表情を浮かべながら、こったろ君の手が離れる。

「…少し、寂しいけど…明日も一緒に帰れるもんね。また明日、YOUちゃん。」

「送ってくれてありがとう。こったろ君、また明日。」

こったろ君は私が家に入るまで見届けてくれた。明日も一緒…そう考えるだけで、顔が綻んだ。

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