◇帰った黄色と来た黄緑 ページ13
サヨさんと出会ってから数日。
この数日である程度、公用語の文字を書けるようになった。日本語の様に1音1文字なのでだいぶ分かりやすくて助かった。
サヨさんはω国のことも色々教えて下さった。
戦争は多いが、とても栄えていて良い国のようだ。
雑貨屋で買った地図を見せたら周りのことを教えてくれた。
国の境界線の場所とか、自分のいる森はどこかとか。
β国とα国はω国の隣国で、γ国は友好国だとか。
こっち側は海に面してるから魚が美味しくて、こっち側は山があるから寒いだとか。
この世界のことを全く知らない私にとっては全てが勉強で実に充実していた。
「はー、すっかり良くなったわ」
『嘘言わないでください、まだ足完治してないでしょう』
「もう歩けとるし平気やで」
ある程度良くなったサヨさんは国の本部に帰らないといけないらしい。
来た時よりも綺麗になったオーバーオールを着て、あのめちゃくちゃ重いシャベルを軽々持った彼と森の抜け道を歩いていた。
「こんな道、ようわかるなあ。」
『道案内してくださった町の方にコンパスを頂いたので』
「にしてもやろ」
俺も覚えとかな、なんて彼は言うけど果たしてその情報は必要なのか分からないぞ、なんて思ったりした。
町まで出ると、がらんとしていた。
戦争中で皆家に引きこもってるんだから仕方ない。
「あー、ここからなら帰れるわ」
『そうなんですね、良かった』
「おん、ありがとうな」
『いえいえ、大丈夫です』
「まだ危ないかもしれんから気ぃつけてな」
『サヨさんもですよ』
「おん、」
どうやら馬に乗って帰るらしい彼は、ちゃちゃっと馬を買って去っていった。
Aさんの手料理美味しかったわ、ありがとな！
そう笑顔で言われてちょっとだけドキドキしたのはまあ、まあね。顔がいい人から言われたらそりゃドキドキもしますわよ。なんて思いながら帰った。
町の人に会えなかったのは少し寂しかったな、なんて。
家に帰りご飯を食べ終わって、ふと思い出した。
仕事部屋のデスクにあるソレ。
『豚さんのピンバッチ、返し忘れた…』
ニット帽をかぶった彼を見てなんか違和感を感じたのはどうやらそれだったようだ。
『どうしよう、これ。もう会えないもんなあ、、』
「会わしたろか？」
『え？』
振り向くと緑色の服の人がいた
だれ、そう言う前に意識が遠のいた。
「ただし、あの世でかもしれんけどな」
そう微かに聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1815人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ーーー - 好きです (3月13日 4時) (
レス) @page35 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - 楽しい作品ありがとうございます！続きも楽しみにしてます。 (2023年3月27日 10時) (レス) id: 26248b9bea (このIDを非表示/違反報告)
なな - お米様抱っこ好きですw (2022年10月15日 21時) (レス) @page28 id: 7cadbb1f0e (このIDを非表示/違反報告)
スンドゥブ左衛門(プロフ) - 無名さんさん» お返事遅くなりました。どちらに掲載したのか等をお教えいただけるのでしたら、是非お願い致します。ﾂｲｯﾀとかでご連絡頂けると助かります。 (2022年8月7日 8時) (レス) id: 2b12ea7bfc (このIDを非表示/違反報告)
無名さん - 失礼します！僕今、おすすめの作品を紹介していて、作者様のお名前と作品を出してもよろしいですか！？こちらの作品僕大好きでして…ぜひ紹介したいんです！ (2022年8月6日 11時) (レス) @page35 id: ea8e66f22c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スンドゥブ左衛門 | 作成日時：2022年6月14日 15時
