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「俺はシャオロン。ハタチ。あ、もうメシは食ったから気にセンといて」
「は、はあ。思依Aです、16歳……」
「16才！ 可哀想やなあ、その年で捕虜になって働かされるとか」
最初から分かっていたくせに、悪趣味だと思いつつもミネストローネを口に運び、なるべく冷静に努める。彼はきっとろくでもない奴なので、絶対に心は開かないと固く決意した……──────
「─────んで、間違えてレンチンしてもうてん」
「あはは！ 騙されてるじゃないですか！」
言うまでもない。Aは壊滅的にちょろかった。横で唐突にシャオロンが武勇伝を話し始めたかと思えば、少し目を離したらこれだ。Aが放っておけなくて、遠目から二人を観察していたゾムはAの豹変ぶりに呆れていた。騙されとんのはどっちやねんと思いながらも、横に座っていた覆面を被る男に肉を押し付ける。
「おいゾム、お前さっきからどこ見てんねん」
「アレ」
「……あぁ！ 噂の捕虜か。シャオロン遊んどんなあれ……」
「うん、だいじょおぶかなぁ……」
頬杖をつきながら目を細めるゾム。Aがシャオロンと楽しそうに戯れているのを見て、なんだか謂れもない複雑な気持ちになる。ゾムは食べ終わった食事とトレーを置きっぱなしにしたまま、立ち上がった。
「ちょっと行ってくるわ」
「……あんま肩入れすんなよ」
「でも、」
「人間と俺らじゃ分かり合えへん。お前が一番知っとるやろ」
ゾムは目を伏せる。確かにそうだ、人間と獣人とでは価値観の違いが大きい。だからこうして対立も生まれている。どこが大きく違うのかは分からないが、両種の先祖達が根本的に合わないと判断して今があるのだ。きっとこの先も分かり合えないだろうし、互いに分かり合うつもりもなかった。
依然として、Aは違った。世界史や公民の範囲で必ず出てくる人間・獣人対立問題。人間達は子供達に獣人は悪だと徹底的に植え付け、洗脳している。しかしAは列記とした理系だったので、社会科は殆ど話を聞いていなかった。だが興味もなかったので反発もせず、非国民の範疇には入らない。謂わば、少し出かけている杭である。
まさに典型的な事なかれ主義のAにとって、今回捕虜として捕まったのはいい社会勉強になっただろう、代償がデカすぎるが。
「アイツは俺らの事、分かってくれそうやけどなあ」
「ハッ、人間なんて皆同じやろ。戻るで」
「……おう」
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にのやも(プロフ) - モモモさん» きゃあ！ そんなこと言われたら沢山書きたくなっちゃいます！🥹 ご期待に添えるようなるべく余談回挟めるよう頑張ります！🙇🏻♀️" (4月5日 8時) (
レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 展開が一つ一つ丁寧で面白くてもう全部読みきっちゃいました！3章以内で終わるのか...もっと書いてもいいんですよ🥹（わがまま） (4月4日 21時) (レス) id: 90bb9ca7b2 (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 梓月さん» コメント有難う御座います！🙇🏻♀️" 是非命狙われてる夢主ちゃんを守ってあげてください……！👊🏻✨ (4月1日 17時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
梓月(プロフ) - ぐいぐい来られると困っちゃうのあまりにも可愛い…守護らねば (3月31日 21時) (レス) @page42 id: c21b6e797e (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 滅華狂さん» あの場面はとっても慎重に書いたので、そう言って貰えて作者冥利に尽きます！😭✨ これからも更新頑張ります！🙇🏻♀️" (3月27日 11時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にのやも | 作成日時：2024年3月24日 17時
