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取り敢えずこれ地図な、と渡された紙を受け取ると、げ、とAは顔を顰めた。寮塔だけでも充分広いのに、本塔、幹部塔、中庭に外庭、訓練施設まであるとなると、どれだけ広大なんだろう。日本も意外と広いんだなあと感嘆しつつ、Aは分かりましたと返した。
「じゃあ俺戻るわ、またな！」
「はい、有難う御座いました！」
ぺこ、と会釈したAを一瞥した後、ゾムは気分良さそうに帰って行った。Aはつい情緒不安定な人だなと思う。そして、彼の姿が見えなくなったら扉を閉めた。
後日。
「貴方がAさん？」
「！ はい、Aです、おはようございます！」
スマホは没収されていたので備え付けの時計アラームが役に立った。Aが深くお辞儀をすると、メイド長らしき人は 随分活きのいい子が入ってきたわ と笑った。
「さて、Aさん。私は第六メイド長の清水よ。よろしくね」
「第六……？」
「ええ、メイド長は第十まで居てね、メイド長さん達は全員胸元に黄色のピンを付けているから、見つけたらお辞儀するように」
「分かりました！」
40前半くらいだろうか、大分メイドとして年季の入った風貌だ。曰くネズミのハーフで、頭から生える耳が丸っこい。
この塔が広いから相対的に少なく見えていたが、恐らくメイド数はそこそこ多いのだろう。Aは着慣れないメイド服を一度見下ろすと、清水メイド長を見た。
「清水メイド長、私は今から何をすればいいでしょうか」
「清水でいいわよ。そうね、貴方どこまで聞いてるの？」
「ええと、勤務時間くらいしか……」
「分かったわ、じゃあ先ずはこの城を案内しましょう！」
ついてきて！ と威勢よくフィンガースナップすると、くるりとスカートを上品に揺らして踵を返す。Aは慌てて彼女を追いかけた。
໒꒱· ﾟ
「あら、案内だけでもうこんな時間。歳をとると時間の流れが早く感じるわね」
「またまた……まだお若いでしょう」
「そんな事ないわよ、あなたなんてまだ16じゃない」
「捕虜ですからネ……」
「災難ね、まだ若いのに」
三食基本は全て食堂で済ませること、洗濯物は中庭で畳むこと、幹部塔には上級メイドしか入れないこと、他にもいろいろこの場所のルールを知った。メモ帳がパンパンになりそうな細かいルールにAは早くも眩暈を覚える。何となく清水との付き合い方も見えてきたAは、すこし生き生きとしていた。
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にのやも(プロフ) - モモモさん» きゃあ！ そんなこと言われたら沢山書きたくなっちゃいます！🥹 ご期待に添えるようなるべく余談回挟めるよう頑張ります！🙇🏻♀️" (4月5日 8時) (
レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 展開が一つ一つ丁寧で面白くてもう全部読みきっちゃいました！3章以内で終わるのか...もっと書いてもいいんですよ🥹（わがまま） (4月4日 21時) (レス) id: 90bb9ca7b2 (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 梓月さん» コメント有難う御座います！🙇🏻♀️" 是非命狙われてる夢主ちゃんを守ってあげてください……！👊🏻✨ (4月1日 17時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
梓月(プロフ) - ぐいぐい来られると困っちゃうのあまりにも可愛い…守護らねば (3月31日 21時) (レス) @page42 id: c21b6e797e (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 滅華狂さん» あの場面はとっても慎重に書いたので、そう言って貰えて作者冥利に尽きます！😭✨ これからも更新頑張ります！🙇🏻♀️" (3月27日 11時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にのやも | 作成日時：2024年3月24日 17時
