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幸か不幸か、Aの知り合いでその現場を目撃したものはいなかった。どの道いつかは噂となって知れ渡るだろうが、直接見られていないだけマシである。ズレたリップを拭いて塗り直すと、Aはしゃがみ込んだ。先程も述べた通り、最悪な気分だった。
そんな彼女に近づく影がひとつ。
「おう どうした」
「……ぁ、ぞむさん……お久しぶりです……」
横を見るとそこには、いつか見た懐かしい顔が。げっそりとした様子で返事をしたAを心配したのか、ゾムはしゃがんでAと目線を合わせる。この時の彼女は妙にか弱く見えて、ゾムは懐から湧き出る得体の知れない加虐欲に戸惑いながら彼女に話しかける。
「久しぶり。聞いたで、Aお前最近大変なんやってな」
「はい、かなり……」
「人間の捕虜は珍しいからな。皆気になるんやろ」
Aは そういうモンでしょうか…… と返して顔を伏せる。人間の国でも獣人の捕虜は存在するらしいが、如何せんAは政府と関わりがないので、言わずもがな獣人の捕虜との関わりもなかった。だからこそ意識しなかったが、人間社会のもっと近いところに獣人の捕虜が居たとするならば、いまのAのような現状に陥っていたのだろうか。
いやしかし捕虜の命を狙うのは流石に人間の国ではありえないだろう。つまりAの命が脅かされているのは完全に獣人の国の監督不行届ということになる。南無三。
あ、そういえば。
「あの、急ですみません。シャオロンさん見ませんでした？」
「ハ？ シャオロン？ ……あー、そういやアイツもお前の事探しとったような」
「ホントですか！？ 最後に見たのは…？」
頭をがしがしと搔いたゾムは、なんとも複雑そうな顔でAを見る。Aが酷く真剣な眼差しで見るもんで、ゾムは後に引けなくなってしまった。シャオロンの居場所を不思議にも伝えたくない気持ちがあるが、伝えるしかないこの状況下にゾムは少しイライラする。
「シャオロン見つけて何するん」
「え？ あ、えっと、伝えたい事が……」
「ソレ シャオロンじゃないとあかんの？ 俺でも良くない？」
「え、いや、その……」
困ったように目を泳がせる相変わらず不確かなAの態度にゾムは呆れる。でも少ししたあと、自分がなんでこんなにシャオロンとAの関係に執着しているのか分からなくなった。というかそもそも、俺はいつから二人の関係に執着しているのか？
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にのやも(プロフ) - モモモさん» きゃあ！ そんなこと言われたら沢山書きたくなっちゃいます！🥹 ご期待に添えるようなるべく余談回挟めるよう頑張ります！🙇🏻♀️" (4月5日 8時) (
レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 展開が一つ一つ丁寧で面白くてもう全部読みきっちゃいました！3章以内で終わるのか...もっと書いてもいいんですよ🥹（わがまま） (4月4日 21時) (レス) id: 90bb9ca7b2 (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 梓月さん» コメント有難う御座います！🙇🏻♀️" 是非命狙われてる夢主ちゃんを守ってあげてください……！👊🏻✨ (4月1日 17時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
梓月(プロフ) - ぐいぐい来られると困っちゃうのあまりにも可愛い…守護らねば (3月31日 21時) (レス) @page42 id: c21b6e797e (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 滅華狂さん» あの場面はとっても慎重に書いたので、そう言って貰えて作者冥利に尽きます！😭✨ これからも更新頑張ります！🙇🏻♀️" (3月27日 11時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にのやも | 作成日時：2024年3月24日 17時
