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チーノは相変わらずAを揶揄うような言動を止めなくて、Aの苛立ちは募り続けていた。ちぎったパンを口に運んでツンとした態度を貫いていると、チーノはそれに気が触れたのか、ずい、と顔を近づける。Aは思わず仰け反った。
「あの、俺の事無視しすぎじゃないです？ シャオロンとは普通に話しとったやん。あー、オレが新人やから？ マ、命救ったいうても所詮人間やもんな、お前。偏見と利己性の塊みたいなモンですよね」
Aは普段なら流していたが、今は妙にそのセリフが頭にきて、がたんと音を立てて立ち上がる。チーノは突飛なAの行動にキョトンと目を見開いて固まった。Aはそんな彼を一途に捉え、ビシッと指をさして告げるのだ。
「種族差別凄く不快。ああ、マ、差別してもしょうがないか、だって獣人だもんね。そしてごめんなさい、私本当に貴方の事が嫌いみたい」
圧倒的に彼を皮肉った台詞を連ねて、Aは机にあったコップの水を思わず彼にぶちまけた。鳩が豆鉄砲を喰らったみたいな様子でAを呆然と見ていた彼。辺りがシンと静まり返って、ひそひそと周囲の人間がAに後ろ指を指す。なんて不敬なんだ、と唸る獣人達をAはシカトしきった。水をくらって幾ばくかしたのち、Aは食べきっていた食事のトレーを持って踵を返そうとした、その時だった。
チーノは立ち上がって唐突にAの腕をその武骨な手で掴むと、強く引き寄せた。
愉快にリップ音がなって、一瞬で二人の唇が重なった。Aは一瞬何が起こったかわからなくて、数秒間静止した後チーノを押し退けた。
「は、？」
顔を真っ赤にして唇を抑えたAを見て、チーノは嘲笑うみたいに言う。
「俺も、お前のこと嫌い」
唇の端をAのリップで赤く染めていたチーノはどうも満足気に見えた。眼鏡の底から見える燃えるような瞳がいやに眩しくて、Aは本当に頭に血が上る。きっとこの男は、チーノが嫌いな自分にとって一番の屈辱を自分に浴びせたかったに違いない。無論Aは最高に最低な気分になった。悪趣味なこの男に対し、吐き捨てるように告げた。
「さいってい、」
Aはそう言ってトレーを雑に片付けると、後味が悪そうに食堂から出ていった。
クソ、最悪な気分だ。Aがいらいらしながら廊下を歩いてる中、チーノは彼の身を案じて囲んできた職員達を一瞥もせず、くすりとわらう。
「(あー、おもろ)」
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にのやも(プロフ) - モモモさん» きゃあ！ そんなこと言われたら沢山書きたくなっちゃいます！🥹 ご期待に添えるようなるべく余談回挟めるよう頑張ります！🙇🏻♀️" (4月5日 8時) (
レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 展開が一つ一つ丁寧で面白くてもう全部読みきっちゃいました！3章以内で終わるのか...もっと書いてもいいんですよ🥹（わがまま） (4月4日 21時) (レス) id: 90bb9ca7b2 (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 梓月さん» コメント有難う御座います！🙇🏻♀️" 是非命狙われてる夢主ちゃんを守ってあげてください……！👊🏻✨ (4月1日 17時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
梓月(プロフ) - ぐいぐい来られると困っちゃうのあまりにも可愛い…守護らねば (3月31日 21時) (レス) @page42 id: c21b6e797e (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 滅華狂さん» あの場面はとっても慎重に書いたので、そう言って貰えて作者冥利に尽きます！😭✨ これからも更新頑張ります！🙇🏻♀️" (3月27日 11時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にのやも | 作成日時：2024年3月24日 17時
