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「っちょ、おま急に走んなって！ すばしっこいやつやな」
「わ、ごめんなさい！ つい……」
綺麗な花々にAは心躍らせる。赤や橙色を中心とした深みのある色。Aがぼうっと見とれていると、シャオロンはそんな彼女を一瞥して、一本赤い薔薇を抜き取った。
「やるよ」
「え、これ抜いていいんです？」
「うん。この庭園、常識の範囲内なら花貰ってもええんやで」
城下町に行けへんメイドとかもおるから、祝い事とかに収集する奴もよくおるんよ。そう説明され、Aはへえと感嘆した。ちゃんと城下町に行けないAみたいなメイド達への配慮も忘れない。獣人の国も案外民主主義だなと、そう思う。
Aは照れくさそうに笑ってそれを受け取ると、両手で大切そうに持った。
嬉しくて、なんだか空がきらきら輝いてみえる。
「一年咲かせてみせます」
「ぶはっ、それは無謀やろ」
え〜、と歩きながら笑うと、
ひゅん。とAの頬に矢が掠めた。
「……え、」
振り向くと、そこには一本の矢。
この落下した矢の角度からみるに、城から。銃じゃなくて弓ってことは幹部と兵士の反逆の蓋然性は低い。弓をチョイスしたのは銃じゃ届かないこの距離から確実にターゲットを仕留める為。それに尖ってはいるけれど使いにくそうな不自然な矢の曲がり方、手作りか。
シャオロンは一瞬でそれを判断しAの前に立って庇うと、持っていた小さなナイフで、キラリと光った追撃を跳ね返した。
「しゃがめ！」
「ぇっ、は、はいっ」
大人しくAがしゃがむと、城から撃ってきたであろう反逆者は弓矢を撃つのを辞めた。見えない奴を相手にするのは分が悪いと思ったらしい。シャオロンはここからじゃ犯人がよく見えないと分かって、静かに舌打ちする。
Aは心臓をばくばくさせながら、薔薇の花を持ち続ける。
「……な、なんやったんや」
「しゃ、シャオさ、怪我は」
「ん、ない。A大丈夫？」
しゃがみこんでAと視線を合わせたシャオロン。Aは目を逸らしながら、少し震えていた。片手をAの肩にのせて、もう片方を血のにじむAの頬に添えると、はあ、と大きな溜息をついて座り込んだ。腰が抜けたみたいなその仕草に、彼も人なんだと、Aはそこでようやく少しほっとする。
「わたしは、大丈夫です。ちょっと頬掠めたくらいで」
「だまれ。結構深いやんけ。くそ、」
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にのやも(プロフ) - モモモさん» きゃあ！ そんなこと言われたら沢山書きたくなっちゃいます！🥹 ご期待に添えるようなるべく余談回挟めるよう頑張ります！🙇🏻♀️" (4月5日 8時) (
レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 展開が一つ一つ丁寧で面白くてもう全部読みきっちゃいました！3章以内で終わるのか...もっと書いてもいいんですよ🥹（わがまま） (4月4日 21時) (レス) id: 90bb9ca7b2 (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 梓月さん» コメント有難う御座います！🙇🏻♀️" 是非命狙われてる夢主ちゃんを守ってあげてください……！👊🏻✨ (4月1日 17時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
梓月(プロフ) - ぐいぐい来られると困っちゃうのあまりにも可愛い…守護らねば (3月31日 21時) (レス) @page42 id: c21b6e797e (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 滅華狂さん» あの場面はとっても慎重に書いたので、そう言って貰えて作者冥利に尽きます！😭✨ これからも更新頑張ります！🙇🏻♀️" (3月27日 11時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にのやも | 作成日時：2024年3月24日 17時
