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廊下は案の定他の教室から逃げてきた生徒でいっぱいで、下からやってくる獣人たちから逃げるべく皆々屋上を目指して人の海を掻き分けていく。しくじった。よく考えたらこの状況で冷静な人などほとんど居ない、だから廊下に出るのは得策じゃなかった。ここは酷くクラクラする。
Aは背中に冷や汗をかきながらも直ぐに自分の教室へと戻り、しゃがみこむ。まだ獣人らは地上にいる、幸いにもしゃがめばここは死角だ。というか特殊対策部隊はまだなのか。Aは虚無に懇願する他道はなかった。廊下から響く悲鳴と雄叫びの中、Aはそれを聞きながら隅で縮こまる。なんて醜いんだろ。
人間も獣人も、言葉を交わし合えるのに。
「共生したらいいのに……」
「それはたぶん無理やな」
急にすぐ側で声が聞こえて、ぱっと顔を上げたら、そこには先程の黒い軍服の青年がいた。いや、若々しい顔付きだが腕は随分と精悍で逞しく、何より体幹が人間離れしている。破壊された天井の隙間からぶら下がるようにAを凝めていた彼は、Aが逃げ腰で後退りするのを見て、彼は怪訝そうに首を傾げた。暫くして自分が血塗れのシャベルを持っていることにやっと気がついたのか、慌てて後ろに持ち直して隠す。隠しきったつもりなのか、彼はあどけなく笑った。Aはつひに耐えれなくなって、口を開く。
「なっ、だ、だれ。殺すの、私を。ならていこうするけどっ」
「おー、見かけによらず強いんや。まだ泣かんの」
涙目になりながらも、他の女子高生とは違って泣かない喚かない叫ばないので、男は物珍しそうに彼女を見た。Aは彼に自分を殺す意志がなさそうなことを見抜いて、立ち上がる。膝がジリ、と痛んで、ふっと視線をそちらにずらすと大分深く抉れていた。教室が崩壊した時の攻撃が、足を掠ったんだ。さっきからする眩暈は出血による貧血か。じゃあほかのクラスメイトはきっと助からないね。
Aはジリ貧に陥りながらも、まだ諦めない。彼を睨んだ。彼はそんなAの態度に一切物怖じせずに華麗に空転して、器用に残った地面に着地。
間髪入れずに飛んできたシャベルの手持ち部分を、飽くまで偶然にもAは避ける事に成功する。
「おっやるね。」
「っま、」
まあ流石に二発目は無理だった。
「またね」
暗転。
間違いなくその日は、ドゥームズデイだった。
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にのやも(プロフ) - モモモさん» きゃあ！ そんなこと言われたら沢山書きたくなっちゃいます！🥹 ご期待に添えるようなるべく余談回挟めるよう頑張ります！🙇🏻♀️" (4月5日 8時) (
レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 展開が一つ一つ丁寧で面白くてもう全部読みきっちゃいました！3章以内で終わるのか...もっと書いてもいいんですよ🥹（わがまま） (4月4日 21時) (レス) id: 90bb9ca7b2 (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 梓月さん» コメント有難う御座います！🙇🏻♀️" 是非命狙われてる夢主ちゃんを守ってあげてください……！👊🏻✨ (4月1日 17時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
梓月(プロフ) - ぐいぐい来られると困っちゃうのあまりにも可愛い…守護らねば (3月31日 21時) (レス) @page42 id: c21b6e797e (このIDを非表示/違反報告)
にのやも(プロフ) - 滅華狂さん» あの場面はとっても慎重に書いたので、そう言って貰えて作者冥利に尽きます！😭✨ これからも更新頑張ります！🙇🏻♀️" (3月27日 11時) (レス) id: 4e49335954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にのやも | 作成日時：2024年3月24日 17時
