空の街

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いつもの居酒屋で乾杯すれば疲れた体にビールが


「あぁああ〜〜〜久々に美味いぃい〜〜〜っ！！」

「飲んでなかったんすか？」

「飲んでも美味しくなかったんだもん…」

「嫌いになったと思ってたから？」


須藤の向かいでコクコク頷けば、バカだなぁ…と枝豆
を見て微笑んだ顔が会社の時とは違う優しい顔で、
また心臓が鳴りそうでビールを飲んだ


「っ、須藤は…、いつからその…私を…？」

「いつからでしょー」

「本当に好きなの…？」

「まだ言います？」

「だって…、」

「いずれ嫌でもわかると思いますけど」

「いずれって？」

「まぁそれは…おいおいで」

「？」

「で、これからなんすけど、来週課長と桑田さん大阪から帰ってくるじゃないすか」

「うん」

「言おうと思ってます付き合った事。多分すぐバレるし。」

「バレるかな…」

「Aさんに隠し事は向いて無いっすよ」

「……、」

「でもやっぱ同じ課で恋人って良くないって言う人も
いると思うんですよ、会社的にも。まぁ人いないから
当分部署替えとかはないとは思いますけど。なんで…」

「わかってます！仕事はこれまで以上に気を抜かずちゃんとやりますっ！」

「はい。あと、」

「うん」

「隣行っていい？」

「えっ、」


隣の席を指さされればまた


「距離も慣れてもらわないと色々困るんで」

「あぁ…、仕事、そうだよね…、」

「それはそっちじゃないんすけどねー……」

「？」


何でもなーいとジョッキを持って移動してきた須藤は
肘が当たるくらいの近さで


「まだだめ？」

「っ、、ちょっとだけ…、」


またぐいっと飲めば少し紛れる気がして


「おかわりする？」

「する…っ！飲んでどうにかする…っ！！」

「ふはっ！飲め飲め〜」

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