空の街

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車内で打ち合わせをすればちゃんと仕事モードになってきて、イベント会場の賑やかな雰囲気の中設営をしてパンフレットを並べていた


「あれ？ねぇ須藤このパンフってさ…」


ら、いつの間にかいなくなっていた。



会場を見渡せば二つとなりの別会社のブースにいて、
テントの組み立て方がわからなくて困っていた別会社の女の子をフォローしているらしい


しきりにお礼を言われてる須藤は
普段から結構こういう事をする

女の子だろうがおじさんだろうが、子供だろうがお年寄りだろうが、手の届く範囲の人が困っていたら、気づくといつも


「全部並べ終わりました？」


戻ってきた須藤もいつも通り


「…うん」

「何か足りなかったっすか？」

「……大丈夫。トイレ行ってくる」







トイレの前には列が出来ていて、
さっきの女の子が私の数人後ろに並んだ


「手伝ってくれた人って二個隣のブースの人だよね？
さっき見たけどめっちゃかっこよかった〜！いいな〜
私もいればよかった〜」

「でしょ〜！大丈夫っすよ〜慣れないとこういうの難しいですよね〜って全部一瞬で組み立ててくれてマジイケメン！って感じだった」

「え、お昼誘っちゃう？」

「誘ってみる？お礼させて下さいって」

「いってみよっか？」


聞こえてくるこういう声は今まで何度も聞いた。
須藤がモテるのは今に始まった事じゃない。

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