空の街

11 ページ11

「………久々に一人だな」


暗くなっていく空をオフィスから眺めれば
出張中の須藤の席を見た


「今日何食べよ」


気づけば毎日ちゃんとご飯を食べさせられてるせいで
お腹は空くようになっていて

たまには何か作ってみようかなぁとデスクを片付けていれば、瀬〜野さんっと後ろから声を掛けられた


「鍋川さんお疲れ様です」

「おつかれ〜瀬野さん今終わり？」

「はい。何か急ぎの仕事ですか？」

「いや、俺も終わったとこ。今から皆で飯行くんだけど良かったら瀬野さんも行かない？イタリアン美味い店あるんだけど」

「あー……じゃあ、はい」

「じゃあ5分後に下で」


一人より誰かと食べる方がやっぱり紛れるもんね、と
鞄を手にすれば電話か掛かってきた


「もしもし？」

『お疲れっすメール提出しました？』

「うん大丈夫」

『仕事終わり？』

「です。何もトラブルありませんでした係長！」

『今日何食うんすか』

「あぁ何か営業課に誘われて今からイタリアン行く予定」

『……………誰』

「鍋川さん？とあと多分他にも」

『……ふーん…』

「須藤は美味しいもの食べれた？専務とご飯今からだよね？」

『じゃあまた後で』

「え？ちょっと？」


ブツっと急に切られて


「会話しなさいよ…」

12→←10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す