二日目 ページ2
棟内放送とは、基本番号で呼ばれる。入った時に貰う国の証明書に書いてある、アルファベットと四つの数字の組み合わせ。番号だから誰か分からない、なんて言うが、軍の検索機器で調べれば一発なので分かる奴は分かる。偶に全事務員の番号を覚えている変態もいる。
書記長室は私の所属する事務室から５分程。本部に位置する総統室の東にある。私が入ってくる前は離れていたらしいが、総統の度重なる脱走により今の位置になったと言う。
本部に簡単に出入り出来る人間というのは限られている。私のような一端の事務員はそう簡単に出入り出来ない。前日に申請しておかない限り、入る事は基本的に許されない。総統・幹部・幹部候補生なんかは申請要らずだ。
書記長室に着いた。ここに入るのは今日で二回目だ。一呼吸して、それからノックは三回。それから番号を詠唱して、書記長からの返事を待つ。
「事務員番号L-1175、鷹宮Aです」
「入っていいぞ」
気のせいだろうか、今のは書記長の声では無いように聞こえたが。
「失礼します」
「よく来たな、鷹宮A。待ってたよ」
「お待たせ致しました、申し訳ございません」
「ああ、怒ってなどいない。ただの会話じゃないか」
総統に待ってたなんて言われて謝らない奴なんている訳ない。総統と会話なんて事務員をしている限り出来ない、というかしたくない。お局の「調子乗ってる」に巻き込まれたくない、切実に。
「お前がビビらせたんやろ。で、本題やけど＿＿＿＿＿＿A、お前ほんまに辞めるんか」
「今朝辞表を出したのが、この質問の答えです」
「ふむ、君は事務員の中でも優秀だと聞く。何が君を辞職という選択を選ばせた？」
「私の通っていた高校が運営する塾から、お誘いが来ました。人に教えるのは得意ですから、そのお誘いに応えました。事後報告になった事、大変申し訳ございません」
先程、同僚に心境の変化など宣ったがら普通に転職するのである。今の環境に不満など無い。なんならここの方が給料はいい。
「そうか……つい先程、君の事でちょっとした会議を開いた」
「……私の事だけで？」
「ああ。君はどの部署でも優秀と言われている。そんな君が抜ける事によって出来る穴を埋める要員をどうするか、という議題だ」
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生茶(プロフ) - ゆるゆるなさん» ゆるゆるな様、作品をご覧いただきありがとうございます！不定期更新にはなりますが、読んでいただけたら幸いです。 (3月29日 0時) (
レス) id: cf05a2e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆるゆるな - とても好きです！！これからの更新頑張ってください！ (3月28日 21時) (レス) id: cce9726ea8 (このIDを非表示/違反報告)
生茶(プロフ) - ゲリラさん» ゲリラ様、ご覧いただきありがとうございます！コメント、非常に励みになります。これからもどうかよろしくお願いします！ (3月28日 11時) (レス) id: cf05a2e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ゲリラ - こんにちは‼️更新内容めちゃくちゃ良いです(^ - ^)これからも頑張ってください‼️ (3月28日 11時) (レス) @page4 id: 3562e297db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生茶 | 作成日時：2024年3月26日 22時
