それでもまた此処に来るだろう ページ46
○ああ嫌だ。もうこれ以上彼らのことで思い悩みたくないんだから。私は考えることを放棄した。
「あっ……すみませんっ、ついつい熱く語ってしまいましたね……！ は、はいどうぞ。お待たせしました」
そこで我に返った彼は恥ずかしそうに頬を染め、作業を急いで終わらせるとカウンターに本と私の学生証を置いた。
「……ありがとうございます。失礼します」
私は静かにそれを受け取るとすぐに鞄に突っ込み、彼に背を向ける。そしてそのまま、失礼を承知で足早に図書室から出る。
パタンと背後で扉が閉まる音を確認してから私は、はあ、と盛大な溜め息を吐いた。何だろう。何か、疲れた。折角気持ち良く本を読んでいたのに。ほんの少しだけ駄目にされた気分。
帰ろう。私は昇降口に向かって歩き出す。もう園内にはほとんど誰もいないのか、廊下は酷く静かだった。自分の足音がやけに響いているように聞こえる。
──図書室を利用する時はなるべく彼が当番でない日にしよう。
夕日に染まる廊下を進みながら私はそう思った。
○
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抹茶ちよこ(プロフ) - かぼさん、お久し振りでございます。いつもいの一番にコメントして下さりありがとうございます✨よくある題材で設定が設定なので今までの作品に比べ糖度は低いですが、私らしく物語を紡いでいきたいと思っております。最後までお付き合い下されば幸いでございます。 (1月18日 8時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 新作おめでとうございます✨初めてお見かけする雰囲気のお話に、今から続きが待ち遠しさと楽しみでいっぱいです(*´ ‐ `*)気温の変動が激しい時期ですので体調崩されないようお気をつけてお過ごしくださいませ。 (1月16日 22時) (レス) @page8 id: 36a6e4e509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2024年1月16日 20時
