これが一番 ページ27
「えっ⁉︎」
声を上げたのは後ろにいるエーミール様だった。グルッペン様も目を見開いたけどそれは一瞬で、すぐに眉間に深く皺を刻んだ。
「どういうつもりだ？」
「大変身勝手なお願いであることは重々承知しております。ただでさえ皆様の意見を聞かずに強引に生徒会に入った身。そして己の職務を全うする所か、皆様の足手纏い及び生徒会の邪魔者になっておりました。そのことを今日まで気付かなかった私は浅ましくも愚かな女でございました」
「……っ」
「これまで皆様に数々の非礼や多大なご迷惑をお掛けしましたこと、本当に、心からお詫び申し上げます。ですが謝っても許されないことは重々承知しております。また私の言葉を信じられる訳がないことも。ですから、この言葉に嘘偽りがないことを私の行動を以て証明したいと思っております。もし脱会の許可を頂ければ……私は今後一切、皆様と関わりませんことをここに誓います。ですからどうか、お願い致します」
そして私は深く、深く頭を下げる。
そう、これが私の目的。生徒会から脱会することによって彼らとの関わりを絶つ。私が今最も望んでいること。これは彼らの為であり、そして私の為でもある。まあ比率的には後者の方が大きいけど。
もはや私達の関係は修復不可能。改心したことを証明する為に今から私が善行をした所で彼らが心変わりする訳がない。私に見向きだってしないだろう。
それに私だって無理に仲直りしたいだとか仲良くなりたいとも思っていない。もう他人に振り回されるのは御免だ。人間関係に疲れた。人と関わりたくない。とっくに私は、誰かを信じることを諦めてしまっているんだ。
だから私が嫌いならどうぞ嫌って。私はそんな貴方達に近付かないから──。
しん、とまるで時間が止まったかのような沈黙が流れる。私はひたすら頭を下げ続け会長の返事を待つ。
すると「頭を上げてくれ」と、彼の声が室内に響いた。私はようやく曲げ続けた背筋を正す。視界に映った彼の顔が酷く困惑しているように見えた。
「君の気持ちは充分伝わった。君は本当に、変わったんだな。……しかし君の生徒会脱会については一度皆と話し合ってから決めることにする。だからそれまで少し時間をくれ」
──何故？
彼の予想外の返答に今度は私が戸惑った。
「かしこまりました。良い返事をお待ちしております」
しかしそれを顔には出さず、代わりに笑みを浮かべて大人しく了承した。
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抹茶ちよこ(プロフ) - かぼさん、お久し振りでございます。いつもいの一番にコメントして下さりありがとうございます✨よくある題材で設定が設定なので今までの作品に比べ糖度は低いですが、私らしく物語を紡いでいきたいと思っております。最後までお付き合い下されば幸いでございます。 (1月18日 8時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 新作おめでとうございます✨初めてお見かけする雰囲気のお話に、今から続きが待ち遠しさと楽しみでいっぱいです(*´ ‐ `*)気温の変動が激しい時期ですので体調崩されないようお気をつけてお過ごしくださいませ。 (1月16日 22時) (レス) @page8 id: 36a6e4e509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2024年1月16日 20時
