新生活 ページ20
○こうして訪れた平和な日常。そう安堵している所に、学園内に私の噂が広がっていることを知った。まるで別人になったとか、何があったかは知らないがようやく大人しくなったとか。それを確かめるように、廊下を歩いていると私の存在に気付いた人達の視線が突き刺さってくる。早く興味を無くしてくれないかな。なんて思いながら私は耐え続ける毎日を送っている。
彼女を一番身近で見ていた同じクラスの子達は未だ私の変化に戸惑い、どう接するべきか悩んでいるみたいで。遠巻きで様子見している状態。まあこのまま放置してくれたら私的にはありがたいとは思っている。どうせこの学園で友人を作ることはもう無理だろうし、私も今は寂しい気持ちもない。
──さて、これからどうやって学園生活を過ごそうか。良い行いをして汚名を返上するとかは特に考えていない。目標とかもぱっと思い付くものがない。だから私は無難に、学生らしく勉学に励むことにした。もともと勉強するのは嫌いじゃない。知識を得るのは好きだ。それに、気を紛らわせてくれるのにはそれが今最適だと思ったからだ。
優等生の如く真面目に授業を受ける毎日。国語や数学などは以前習ったことがあるものだから助かった。だけど流石に社会とかは無理だ。歴史なんてもっての他。知らない言葉の羅列でちんぷんかんぷんだった。期末テストはまだ先だから良かったものの、それまでにはちゃんと勉強しなきゃ。
そう言えば、この世界は私の知っている世界と似ている部分はあるけれど違う部分も多い。そもそもこんな国名なんてあっただろうか。そしてエーラット嬢の記憶には日本と言う国名すらもない。その所為か、私にとって此処がまるで別世界のような感じがしてならなかった。まあ、とりあえずそれは今重要ではないので置いといて。
生憎エーラット嬢は勉強が苦手で、授業を真面目に聞いていなかった。だから私の頭の中には習ったはずの単語や教科書の内容がほとんど入っていない。どうせ勉強しなくても家の力で卒業出来るのは当たり前だと、そんな甘いことを考えていたのだろう。これだから頭の悪いお嬢様は。まあまあ、私に勉強させる機会をくれたと思って心を落ち着かせよう。
このまま普通の生徒と変わらない生活を送っていれば、きっといつの日か私もその中の光景に溶け込めるだろう。日常の一部分と同化すれば、注目されることもなくなる。もうあんな突き刺さる視線は御免だ。
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抹茶ちよこ(プロフ) - かぼさん、お久し振りでございます。いつもいの一番にコメントして下さりありがとうございます✨よくある題材で設定が設定なので今までの作品に比べ糖度は低いですが、私らしく物語を紡いでいきたいと思っております。最後までお付き合い下されば幸いでございます。 (1月18日 8時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 新作おめでとうございます✨初めてお見かけする雰囲気のお話に、今から続きが待ち遠しさと楽しみでいっぱいです(*´ ‐ `*)気温の変動が激しい時期ですので体調崩されないようお気をつけてお過ごしくださいませ。 (1月16日 22時) (レス) @page8 id: 36a6e4e509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2024年1月16日 20時
