悪夢は覚めた ページ18
○ここ最近、彼女が風邪で学校を休んでからこの上なく平和になったのだ。あの悪夢の日々がまるで嘘だったかのように穏やかな毎日を過ごせている。そしてそれは彼女の体調が回復してからも続いている。
変わったのだ。あれほど願ってやまなかった暮らしをようやく手に入れることが出来たのだ。これはもはやあの噂通り、彼女自身に何かしらの変化が起きたと信じざるを得ない結果である。
「そう言えば、あれからあいつに追っかけられた奴おる？」
「いや。てか会ったことすら……何やったら見たことすらないな」
いつも周りで何かと近付くチャンスを窺っているエーラット嬢。なので遠目だけでもその姿を見る頻度が一日に一回はあったのだが。その場にいる鬱以外の全員が一様に首を横に振った。
「フィオナは？ 何かされたか？」
「い、いいえ、何も……大丈夫よ」
フィオナも同様、彼女からの嫌がらせはあれから受けていない。とは言っても以前それが発覚した際彼女に酷く灸を据えたので、その頻度は激減していたが。本当に些細な、子供じみたものだけはどうしてもやめることが出来ないようで。
フィオナもまた、その程度でメンバーに頼って迷惑を掛けるのも申し訳ないと思っているので、それを隠してしまう所がある。なので定期的にこうやってメンバーが彼女に虐められていないか、と訊いているのだ。
しかしそれすらも無くなったとは。ますます噂が真実味を帯びてきた。
だがそこで一つ思ったのが──。まさかこれも彼女の作戦の内なのか、と言うことだ。一旦退いた振りをしてこちらの興味を引かせようとしているとか。
しかしシャオロンはすぐに否定した。確かに彼女は金に物を言わせたり他人任せな小狡い所があるが、一体どこからそんな自信が出てくるのか、基本正面からぶつかってくる。なのでそんな回りくどいことなんかしないだろう。そこまで頭が回らないだろうし、彼女の高いだけの中身のないプライドもあるだろうし。
果たして彼女は以前とどれほど変わったのか。それはおそらく彼女と接触しなければ分からないことだろう。
「もっ……やめやめ‼︎」
するとその時、今まで黙っていたゾムが突然声を荒げた。
「んなこと、どうでもええやろ！ あいつが変わろうがどうなろうが知ったことやない！ もうこれ以上あいつの話なんて聞きたないわッ！」
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抹茶ちよこ(プロフ) - かぼさん、お久し振りでございます。いつもいの一番にコメントして下さりありがとうございます✨よくある題材で設定が設定なので今までの作品に比べ糖度は低いですが、私らしく物語を紡いでいきたいと思っております。最後までお付き合い下されば幸いでございます。 (1月18日 8時) (
レス) id: 68848dd40a (このIDを非表示/違反報告)
かぼ(プロフ) - 新作おめでとうございます✨初めてお見かけする雰囲気のお話に、今から続きが待ち遠しさと楽しみでいっぱいです(*´ ‐ `*)気温の変動が激しい時期ですので体調崩されないようお気をつけてお過ごしくださいませ。 (1月16日 22時) (レス) @page8 id: 36a6e4e509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2024年1月16日 20時
