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たまたま?それともわざと? ページ18

『話、聞いてた…?』


「まぁ、なんとなく」


と曖昧な言葉が返ってくるけれど、この様子だと全部聞かれてたんだろうなとそこはかとなく思った。別に聞かれてもマズい内容では無かったし、逆にあの時きりやんに全て打ち明けていたらどうなったんだろうと考えると宙に投げ出されたような感覚になる。


「俺、体調悪くなって大丈夫かなーって心配してたんだけど」


『……ハイ。逃げてごめんなさい』


「別に怒ってないからね?」


『申し訳ございませんでした』


怒ってない、と言ってニコニコと笑みを浮かべているけど、黒いオーラが見える。絶対怒らせた。


「……嫌だった?」


『え、?』


「無理やり連れ回したこと」


まぁ、嫌なわけないよな……なんて独り言のように言葉をこぼすきんときくん。それに否定も肯定も出来ないでただぽかんと彼の方を見つめる。


「ごめん、Aさんの気持ちちゃんと考えてなかった。正直俺も、Aさんにバレて焦ってたし、考える余裕無かった……って言ったら言い訳になるけど」


ぽつりぽつりと、自信なさげな声が小さく紡がれる。その間にも、きんときくんは眉を下げて、申し訳無さそうに私の方を見つめる。


「Aさんを離してあげることは出来ないけど、もし嫌な事があったら言ってほしい。何でも……は無理かもだけど、最大限応えるから。」


なんて、まるで付き合いたての恋人同士のような、辿々しくも真っ直ぐで優しい、そんな言葉を差し伸べられる。そんなの……


『……ズルいよ、』


マンガなどの創作では勿論綺麗に描かれてはいるけど、テレビのニュースで流れているのや授業で教えているのは決して優しくは無かった。吸血鬼は人を襲う怪物、この世界に存在してはいけないもの。そうなのに、そんなものが優しいだなんてズルい。きんときくんがもっと非情で最低だったら、素直に嫌って文句だって言えたのに、人間と変わらない、いや、それ以上の優しさを見せられてしまったら嫌いになんてなれない。


「あのー……俺いるんですけど、」


『え?』


「え?」


「……え?」

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神崎いのり(プロフ) - ゆのさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ございません。コメントありがとうございます…!そう言って頂けてとても嬉しいです🥰緩くではありますがちまちまと更新していきますのでお付き合い頂けると幸いです✨ (4月19日 16時) (レス) id: 8fac357c0d (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - ほんとにとても癖です、、、!!!更新待ってます😿 (12月28日 15時) (レス) @page11 id: 8aabdc3085 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎いのり | 作成日時:2023年12月15日 23時

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