【d!】ヤンデレを享受しろ。 (ページ6)

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▷ 急がば回れ。盗られる前に。ページ6

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ロボロが目を覚ますと、昨日お楽しみした後そのまま寝落ちしていたはずのAの姿がない。
シーツから微かな温もりを感じるため、まだ近くにいると踏んで部屋から出ると、キッチンから空腹を誘う香りが漂った。

音を立てないようにキッチンを覗くと、自分よりも一回り大きなエプロンをつけたAが鼻歌混じりにいそいそと朝食の準備をしていた。
その姿を見て、ロボロはエプロンをプレゼントするとともに、キッチンにも監視カメラを設置しようと決心した。

ロボロは気づかれないようにAに近づき、後ろからそっと彼女を抱きしめた。

「うぁ！？あ、ロボロさん。おはようございます！」

rb「ふは、おはようさん。
　朝からありがたいわ。俺も手伝うで」

「いやいや！ロボロさんは座ってて下さい！
　いつもお家貸してもらってるので、鶴からの恩返しです」

rb「いつから鶴になんったん？
　まあええわ。じゃあお言葉に甘えさせてもらおかな」

Aが朝っぱらから「私の特製朝ごはん楽しみでしょー？」なんてほざくので「お嫁さんの初手料理楽しみやわぁ」と返すと、顔を真っ赤にして吠え始めるAが愛おしい。

しかしどんなに甘いセリフに照れてくれようとも、Aはロボロの彼女にはなってはくれない。
ロボロは一度冗談混じりで告白してみたものの、結果フラれてしまった。どうやら過去の男と一悶着あったようで、恋人というものトラウマらしい。

身長もあり、親しみやすいと称されるロボロでさえ、少しでも恋愛感情を見せただけで大蛇を見るような恐怖の眼差しを向けられていたのだから、セフレまで上り詰めただけノーベル賞ものだ。

恋人になるまであともう一歩。そりゃあ体を重ねる関係も悪くはないが、どうしても恋人には劣るものがある。
ロボロはAの元カレが、Aをあそこまで変えてしまった男が憎くて仕方がなかった。

＿＿Aにとって俺は、一体どんな存在なんや。

どす黒い感情が入り混じったドロドロとした瞳で彼女を見つめている間に、どうやら朝食ができたようだ。
ロボロの気持ちなんぞ何も知らないAは、彼とは反対に濁りのない瞳で楽しそうに朝食を並べる。

そしてロボロは自分の汚い感情を隠すように微笑み、将来のお嫁さんと向き合い手を合わせた。

『いただきます』