【d!】ヤンデレを享受しろ。 (ページ2)

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rb「あ、Aさんやん、おはよー」

「あ、おはようございます……」

ロボロはまるで何もなかったかのようにAに声をかける。まあ、何もなかったといえば何もない。
ロボロにとってはあれが日常なのだから、後ろめたいことなど何もないのだから。

rb「随分と眠そうやね。まぁた夜遅くまでゲームしてたん？」

「あたりですよ…… よく分かりましたね」

「昨日もずっと見てたから」なんて言えるはずもなく。
それを伝えたらどんな反応をするのだろうか、という好奇心を押し殺し、いつも通りの笑顔を取り繕った。

流石に彼も馬鹿ではないので、そんなことを口にしたらこの生活が終わるだけでなく、彼の人生も終わってしまう。要するに豚箱行きだ。
しかしお人好しの彼女はそれでも面会に来てくれることだろう。

rb「まあ、Aさんやしな。そんなこったろうと思ったわ」

「なっ、失礼ですよ。私に向かって」

rb「ごめんて。
　 ……あー、今日一緒に飯食いに行かん？奢るで」

「やったー(棒)私お高いものが食べたいですー」

rb「じゃあいつもの居酒屋かなぁ」

「別にいいですし！
　高いお店には彼氏に連れてってもらうので！！！」

rb「何を言うてんねん。彼氏なんていないくせに」ﾎﾞｿｯ

ロボロはAから飛び出た「彼氏」という言葉を聞き、あからさまに不機嫌になる。
そしてため息を一つ溢し、呆れたように彼女を見つめた。

rb「……まあ、じゃあいつもの居酒屋でな」

「がんてんしょうちー！
　あ、ロボロさん、私、明日暇なんですよね」

「…………今夜、どうです？」

Aはすれ違いざまに、ロボロの耳元で艶っぽくそう囁いた。その瞬間、ロボロの耳がブワッと熱を帯びる。

rb「……！、？」

ロボロはビクッと大きく肩を揺らし他と同時にすぐさま耳を抑え、るんるんで去っていくAの後ろ姿を睨んだ。
心なしか少し前屈みになっているのは気のせいだろうか。

rb「お前ほんま……そういうとこやぞ……」

ロボロはAに聞こえるか聞こえないかのギリギリの掠れた声で一人呟いた。
そしていつもAを盗聴しているイヤフォンを耳につけ、ドキドキしながら仕事に戻った。