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エミさんは通話を切るとまた椅子に座り、申し訳無さそうに眉を下げた。
「すみません、少々急なお話になるのですが……貴女には今から、私達と一緒に生徒会室に来て貰う事になりました」
『へっ?』
ガチャリ、とドアが開いた音に反応し後ろを向くと二人の男子生徒が中に入ってきた。
女性の様な線の細さと柔らかそうな栗毛を備えた男子と、短い黒髪に白いマスクが特徴的な誠実そうな男子。
雌雄峰翡翠先輩と仁美蘭丸先輩だ。
タイミング良く部屋に入ってきた生徒会の方々に驚いて声も出せないでいると雌雄峰先輩がこちらに顔を傾けてにこりと笑った。
「お話するのは初めてやねAちゃん、やっぱり近くで見ても可愛いめう〜♡エミさん抜け駆けは狡いわあ、お茶会するんやったら誘てくれんと」
「オスマン、文句言うなら後にしな。……初めまして兎月Aさん、急にごめんね?お茶会はまた今度にしてくれるかな?」
申し訳無さそうに眉を下げる仁美先輩、頭の中がこんがらがって上手く言葉が纏まらない。
『あ、あの、なんで、…どうして、私が生徒会室に…?』
エミさんの方に向き直ってなんとか言葉を紡ぎ恐る恐る尋ねてみると、エミさんは柔らかくそれはそれは美しい微笑みを称えて口を開いた。
「我らが総統閣下が、貴女をお呼びです」
蝉時雨を背に、儚く美しい蝶とのお茶会は終わりを告げた。
どうやら私の夏休みは、例年通りに幕を開けてはくれないらしい。
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える。(プロフ) - 桜華さん» こんばんは初めまして、える。と申します。青い鳥の件、把握致しました。確認して参りますね!コメントでのご報告、誠にありがとうございます。これからも何卒よろしくお願い致します。 (2023年2月21日 18時) (レス) id: 4124cd0df0 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - コメント失礼いたします!青い鳥の垢をフォロー申請しましたことをDM開かれていらっしゃらないようでしたので、こちらより失礼致します。同じ名前の垢より申請送られているかと思われますので、ご検討よろしくお願いいたします! (2023年2月21日 17時) (レス) @page50 id: db53fda8a3 (このIDを非表示/違反報告)
える。(プロフ) - ピット☆さん» こんばんは、える。と申します。自宅の夢主ちゃんを褒めて頂いてありがとうございます!彼女はもしかしたら人と感覚のピントがズレているのかもしれません(笑)応援も痛み入ります、頑張らせて頂きます! (2022年12月30日 18時) (レス) id: 4124cd0df0 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - 狂気的な愛を前にしてビクビクするだかじゃなくてしっかりやり返せる夢主ちゃん…最高です!!こんなにちゃんとやり返せる子はあんまり居ないので読めて嬉しいです!大変だとは思いますがこれからも無理しない程度に更新頑張ってください! (2022年12月30日 9時) (レス) @page12 id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
える。(プロフ) - 清水さん» おはようございます、える。と申します。コメントありがとうございます!是非今後とも、物語の行く末を見届け頂ければと思います。頑張りますね、応援ありがとうございます! (2022年12月28日 8時) (レス) id: 4124cd0df0 (このIDを非表示/違反報告)
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