キミがただの水死体にもどってしまうなら｡【️改稿版】 (ページ3)

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死ページ3

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Aと海に泳ぎに行ったあの日をよく覚えてる｡めっちゃ暑い日やった｡

俺は海水が苦手やったけど､一度も海に行ったことがないというキミのためにエミさんに海水から身体を保護できる保護膜(グラン･ヴェール)っていう魔術も覚えて準備万端で海に行ったんや。

…ちなみに､あいつら(我々師団のやつら)に言うと乱入してくるか確実に邪魔してくるような予感がハッキリとしていたので､あいつらには何も言わず､2人で海に駆け出したんや。

太陽がジリジリと肌を焼く感覚を今でも覚えている｡そんな真夏の日差しを感じながら俺たちは､砂浜で遊んだりしていた｡

そんな中､Aはその瞳を輝かせて､

「綺麗だね」って言ったんや｡満面の笑みでな。

初めて海を見る彼女はとてもはしゃいでいて､そんな姿を見て俺はとても嬉しかった｡

でも､それは束の間の喜びで｡

俺は､
幸せから不幸のどん底に叩き落とされたんや｡

Aが潮に流されとるって気づいた時はまるでこの世が終わったような､太陽が西に沈んだような､もう終わらへん夜が来た時のような心地がしたんや｡

焦ってすぐに掴もうとした手にその先は無くて､助けられへんかったと気づいた時は消えてしまいたくなった｡

流されて､沈んでいくのを追いかけるしか出来なかったんだ｡

ふっと辺りを見渡して見ると､君の姿が見当たらんかったんや｡

海の中､俺は青い闇に沈んでくAの姿さえ見逃したんだ｡

俺には、

彼女の姿が､見つからなかったんや｡

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