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夜8時。きりやんさんと会う前に店に来た。

今日は出勤日じゃないのに来た理由はただ1つ。
代表に辞めることを伝えるため。
きりやんさんには飛べばいいなんてこと話したけれど、生憎この店は高級店として歌舞伎町ではそこそこ名を馳せている。急に嬢がいなくなったと知られれば看板に傷がつくだろう。
流石に3年ほどお世話になった恩のある店に仇で返すような真似はしたくない。




「代表って今日来てます?」



「VIPにいますよ。伝えておきますね」




黒服に要件を伝え、VIPルームに行くとパソコンとにらめっこをする代表がいた。




「何となく、辞めたい理由は分かってる
正直、ナンバー上位常連の麗を手放すのは嫌だけどね」



「…すみません」



「はぁ…でもまぁ、ここにずっといるよりも良いと思うよ
一人の女性として、一人の人間として幸せになりな」



「ありがとうございます。お客様のこともあるので1週間程度は籍を残しておこうかと思います
では、お忙しい中失礼しました」




代表と少し会話を交わしてからVIPルーム出た。その途端、緊張が解けたからか腰から崩れ落ちそうになった。
お店に入ってから何度か話したことはあるし新人の頃からたくさん面倒を見てきてもらった。だからこそ、代表に直接言うことへの緊張は計り知れなかった。

一旦息を整えてから店を出て時間を確認すると、約束の時間の約30分前。
家に帰ってちょっと綺麗にしてから行こうか、なんて考えが過ぎったがそんな余裕はあまりないだろう。

お店の近くのコンビニで、以前会った時にきりやんさんが飲んでいた缶ビールを2本買ってゆっくり歩きながら公園に向かうことにした。







┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
はじめまして作者の葵です。
お気に入り登録やハート、評価ありがとうございます。
更新があまり早くなかったり誤字脱字もあったりと少々不満に感じる点もあるかと思いますが、暖かい目で見守っていただけると幸いです。
引き続き、ファルファーラとジラソーレをよろしくお願いいたします。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名: | 作成日時:2024年3月12日 0時

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